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大陸|神戸っ子が愛する、こうべごはん。Vol.5

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広報紙KOBEの編集部が実際に訪れて、聞いて、味わって、神戸の名店が愛されてきたそのワケをお伝えする連載の第5回。

今回は、下町の魅力あふれる春日野道で人気の町中華「大陸」を訪れました。

甘めのソースが絶品!中華なのにヤキソバ!?

大安亭市場から5分ほど北に歩くと、老舗の町中華「大陸」があります。家族や友人連れのほか、一人で訪れる人も多く、お昼どきは行列が絶えない人気店です。

お客さんの多くが注文するメニューが「ヤキソバ」。中華料理の「焼きそば」といえば、塩やオイスターソースなどの味付けが一般的ですが、こちらでは、家庭や粉もん屋さんでおなじみの「ソース焼きそば」を出しているんです。

ヤキソバ定食 930円、ギョーザ 300円。なんと14時までは5つの定食は100円引き!


誕生のきっかけを、店主の田中芳郎さんに伺うと、実は昭和54年の創業当初は、塩味の焼きそばを出していたそうです。ところが、味を濃くするために、テーブルにあるソースをかけて食べるお客さんが多く、「塩加減が難しいのに、ソースをかけられることに腹立って、それなら最初から入れたろ!」と、とんかつソースとウスターソースで味付けした「ヤキソバ」を提供したのだとか。徐々にその味が評判となり、お客さんから愛されるメニューに。奥様の美由紀さんは「ヤキソバをきっかけに、多くの人にお店を知ってもらえてうれしい」と話します。

一口食べると、ほんのり中華風味の香る、絶妙な味わいの甘めのソースが口の中に広がります。麺は、ラーメンに使われる細麺で柔らかく、キャベツやモヤシ、ニンジンなどの野菜はシャキシャキで、異なる食感が楽しめます。皮がつるんとしたワンタンスープと、小ライスがついた「ヤキソバ定食」は、ボリュームたっぷりです。

もう一品外せないのが、パリパリの薄皮に、にんにくやニラのよく効いた餃子。お客さんは、それぞれビールや紹興酒を合わせて、至福のひとときを楽しんでいました。

野菜たっぷりの餡が包まれた餃子を、甘辛いタレとラー油につけると最高!グルメ雑誌でも紹介されています

夫婦二人三脚で50年を目指します

約50品の豊富なメニューは、どれも持ち帰り可能!春日野道の食を長年支えています

田中芳郎さん・美由紀さんご夫婦がお店を始めたのは、昭和54年。
中華料理店での修業後、ほどなくして春日野道にて開店しました。当初は、今よりも少し北側にお店があったそう。

小さい頃からラーメン屋になりたかった、という芳郎さん。「生涯、鍋を振り続けたい」というほど料理が大好きで、より美味しくなるよう日々味を追求しています。まったく同じ仕上がりの日はないのだとか!

手際よく料理を仕上げていくご主人。奥で料理をするのは、娘婿の黒佐さん。


お二人に好きなメニューを聞いてみると、「自分が作ったもんを、これが美味しい、あれが美味しいとは、よう言わん」という職人らしいご主人。美由紀さんは、「好きなメニューは、野菜炒めと、豚肉と玉葱炒め」とにっこり笑います。

高校の同級生だったお二人は、結婚記念日に、今でもよく一緒に美味しいものを食べに出掛けているのだとか。仲良しのご夫婦が生み出す料理は、どれもとても愛情あふれる味でした。

今年1月から、人手不足などの影響で昼の営業のみに切り替えたそうですが、出来るだけ長く続け、「50年は目指したい」と意気込みます。昨年創業45年を迎え、ますます地域の人に愛される「大陸」。昔ながらの人情を感じるあたたかいお店で、町中華を楽しみませんか。

店舗情報

店名大陸
ジャンルラーメン 餃子
住所神戸市中央区国香通5-1-2
エミネンス国香1F
営業時間11:30~15:30
定休日火・水曜

取材日 2025年1月24日


阪神・淡路大震災、新型コロナウイルス感染症を乗り越え、市民に愛され続ける飲食店を、市民からの推薦を元に、神戸市は「神戸名店百選」として2022年度に選定しました。 「神戸っ子が愛する、こうべごはん。」は、「神戸名店百選」から紹介します。

▶「神戸名店百選」はこちら

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