子どもたちに
「元気な森」を渡すために
私たちはどうしたら良いのでしょう。
一から森のことを学んで
一緒に考えていきましょう!
目次
①千年以上続く、人と森との関係性
②元気な森を未来の子どもたちへ渡すために
③いま、私たちにできるはじめの一歩。神戸の森を知ろう
千年以上続く、人と森との関係性
まず、日本の国土面積のうち
どれくらいが森か知っていますか?
日本は、世界的に見ても森が多い国です。
それでは、神戸市はどうでしょうか?
神戸市には「人工林」は少なく1割程度です。
しかし、神戸市には広大な里山があります。
昔から人口の多かった関西には
自然のままの森は
実は非常に少ないのです。
日本人は昔から、里山で
木を伐って燃料にしたり
落ち葉を集めて肥料にしたりして
里山林を使ってきました。
人と森は千年以上も
持ちつ持たれつの関係だったのです。
木を伐って、使い、育てる。
このつながりが人と森の
持続可能な関係を築いてきました。
ところが今
この里山が危機に直面しています。
1950年以降、ガスや電気を使う生活になり
薪や炭を使うことが、ほとんどなくなりました。
さらに、化学肥料を使うようになり
落ち葉を肥料にすることも少なくなりました。
そのため、里山の樹木を使わなくなり
人が山の中に入らなくなりました。
こうして使われなくなった里山は
大木が増えて地面まで光が届かない暗い森になり
芽生えせず、若木が育ちにくい状態に。
また、老木・大木が増えたことで
倒木の危険性が高まりました。
木の病気も発生しやすくなっています。
元気な森を未来の子どもたちへ渡すために
このまま何もしなければ
未来の子どもたちに
元気な森を渡せません。
そこで大切な考え方が
「伐る・使う・育てる」の
サイクルを循環させていくこと!
そこで、神戸市でも
取り組みを始めています。
神戸産木材を使って森を元気に!
市役所本庁舎1階や
市役所連絡棟2階のベンチ
名谷図書館など…
神戸の森を元気にするために
公共施設で神戸産の木材を
積極的に利用しています!
神戸産木材を使ってさまざまな製品へ
里山の広葉樹には
色や硬さの違う
いろいろな種類があります。
テーブルや椅子などの家具や床材など
さまざまな製品に使えます。
神戸産「カシの木」で備長炭づくりをスタート!
神戸産樹木の利用方法として
高級炭として知られる備長炭の生産を計画しています。
2024年11月には
神戸市北区山田町で伐採した
6トンのカシの木が炭になりました。
非常に硬く、火力が高い備長炭。
長時間もち、肉類をおいしく調理できます。
料理人の手で神戸牛の調理などを試し
ブランド化を検討していきます。
神戸牛をはじめとする地元食材を
神戸産の備長炭で炙り、観光客に提供する。
そんな地産地消の付加価値を感じられる
観光資源の一つとなるよう
神戸産備長炭の継続的な生産の
可能性を探っていきます。
観光など、アイデアで可能性は無限大
美しい里山の風景は
観光資源としても価値があります。
滞在型の宿や里山散策ツアーは
農村地域の活性化につながります。
また、木の枝や実は
花材として活用もできます。
木の使い方のアイデアは
さまざまな可能性に満ちています。
薪や炭をほとんど使わなくなった現代でも
私たちは木製品や紙(原料は木)を
たくさん使っていますが
その多くを海外から輸入しています。
これからは輸入に頼らず、
里山にあるたくさんの樹木に目を向けて
身近にある森をもう一度
使っていく必要があるのです。
自然のサイクルに人間が合わせていけば
子どもや孫の世代に、元気な森を渡せます。
いま、私たちにできるはじめの一歩。神戸の森を知ろう
神戸は、都心からすぐ近くに森があります。
森について考える第一歩として
さまざまな視点で森を見てみましょう。
ロープウェーで知ろう!
ロープウェーに乗ると
木々の種類や標高による変化を
上から見渡すことができます。
森を上から眺められる乗り物が
一つの市内にこんなにあるのは
実は全国でも珍しいことなのです。
ケーブルカーで知ろう!
ケーブルカーに乗ると気軽に
木々の様子を近くから見ることができます。
森林植物園で知ろう!
森をもっと間近で感じたい人には
神戸市立森林植物園を気ままに
歩くのはいかがでしょう。
新緑が美しい春
茂った葉の木陰が心地よい夏
木々が色づく秋
落葉して静けさが広がる冬
同じ場所へ季節を変えて訪れると
変化がよく分かりますよ。
出前トークで知ろう!
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神戸産の木材でできた家具に囲まれ
神戸産の備長炭で
神戸ビーフを焼いて食べる。
それだけで神戸の森が
どんどん元気になっていく。
そんな未来って、素敵だと思いませんか。
まずは、日頃から森のことを
少し考えてみることから
始めてみてください。
◆神戸の森を知る
神戸布引ロープウェイ
摩耶ロープウェー
六甲有馬ロープウェー
六甲ケーブル
摩耶ケーブル
神戸市立森林植物園
◆神戸市立森林植物園
営業時間/9:00~17:00(16:30最終入園)
※季節により、早朝・延長開園あり
定休日/水曜(祝日の場合は翌日休)
所在地/神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2
Googleマップはこちら
料金/高校生以上300円、小・中学生150円
※神戸市内在住の65歳以上、神戸市内在住・在学の高校生、「のびのびパスポート」を提示した小・中学生は無料(要証明書)